ある日突然!?
「雪路の濡れ衣についてじゃが、雪希が言うにはある日突然伊東をいじめたと言われ、他の族と内通してると言われて追い出されたらしいんじゃ。……じゃが逆に、その前から雪路は伊東からいじめを受けていたらしいんじゃがの」



「雪路っ」

「雪路ちゃんっ」



哀れんでか、2人は雪路の名を呼ぶ。



同情なんかはあまり好きではないが、哀れみたくもなるだろう。



「言いにくいが、雪路や雪希、勿論雪子は身を寄せてるとも言える身。雪希はそこをあまり気にしてないが、雪路は気にしてるらしいんじゃ。雪希の話によればじゃがな」



確かにそうだ。



母達は再婚してからここに越してきた。



ここは元々月詠家だけのもの。



居心地が悪くても仕方ないだろうし、住まわせてもらってるという考えもあっておかしくない。



「っっ」



義父が悔しいのか、唇を噛み締めるのが見えた。



「そんなこんなで、今日伝えに来たのはじゃ。あの伊東亜夢には気を着けた方が良いということなんじゃ」



伊東組。



そして青龍の現姫の伊東の娘、亜夢。



それを信じた青龍。



回りは敵だらけとも言える。



………雪希達がこんな事になってるのなら、青龍の敵になりうる族なんかより、今勢力を伸ばしつつある伊東を潰しておけば……。



私が最近始めた、あるものに関わる族潰し。



詳しくは、青龍の敵になりうる族。青龍の敵として関わる族を潰す事。



私の持つ青龍の情報が古いのも、そのせいと言えなくもないが、今は伊東だ。

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