ある日突然!?
「そこでじゃ」



ん?



先程まで前を向いていたのに、突然私に視線を向けた組長。



「伊東亜夢が青龍に居り、何かしら律君にも影響が出るやも知れん。だから雪香」



命令の時の……でも、何か嫌な予感がする。



「律君を守りなさい」



………マジか。



雪希や雪路に手を出しそうな勢いの族の、青龍の、しかも総長だぞ。



嫌々オーラの様なものが漏れでそうなぐらい嫌だ。断りたい。



「雪希を追い出したのにも、先程の様子を見る限り負い目を感じてる様じゃったし、こちらにも敵意は向けて来なかったじゃろ?」



確かにそうだが………。



「けど、それなら止めるとか……」



「ん~。律君の……、性格がのぅ」



性格?



喉を唸らせ、歩きながら腕を組んで首を傾げる。



つまり、悩んでるような仕草をする組長。……いや、祖父?



……まぁ確かに、何とな~く気弱そうな気もするが。



「優しいんじゃよ。穏和というかのぅ」



「確かに、律は僕に似たのか気弱な部分が主って言うか、色々考え込んじゃうんだ」



自覚はしてるのか。



大分失礼な事を思ったということを重々承知してるが、確かに何かしら影響は受けそうだ。



客観的な立場から考えてみよう。



伊東愛奈の目的は不明だが、雪路は目的に不要か……、それとも邪魔か。



邪魔だと仮定すると、目的は青龍の地位か、ただの恋愛目的か。



それとも月詠の御曹司というところか。



はたまた全てか、全て違うか。



考えれば考える程どんどん浮かんでくる。

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