ある日突然!?
仮に伊東愛奈個人として動いていたとしてもだ。



………雪路や雪希を敵と判断してるなら、こっちだって敵認識する他無いしな。



私と違い、高校に通ってる雪希達。



雪路は裏切り者として、おそらく酷い仕打ちを受けてるだろう。



雪希が守ってるだろうが、雪希も同じ扱いを受けてるだろう。



そうなってると仮定してだ。



律を守ると同時に、弱いと見せ掛けて伊東愛奈に近付く。



組長の命令も遂行出来、尚且つ雪希達の平和で楽しい高校生活を邪魔立てする連中も排除できる。



よくよく考えれば一石二鳥ではないか。



そんなこんなしてると、先程のリビングの扉が見えてきた。



と、突然前を歩いていた義父がこちらに向き直ると同時に止まり、手を握ってきた。



「雪香さん」



真剣な眼差しで見つめられる。



「僕の……月詠覚の息子の、月詠律を守って頂きたい。これは、月詠財閥社長として、そして1人の父親としてのお願いです」



えっ、え………。



真剣すぎる、真面目過ぎる申し出に戸惑う。



いや、私は私で結構やる気だったんだが………。



そう演技で言おうとした時。

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