ある日突然!?
「ゆー、ゆー、起きなさい」



「ん………。あぁ、今起きる」



眠った自覚はあったものの、まさか坂が開くまで寝てたとは。



防音機能の着いた坂が開いているということは、組員が目的地に着いた等の連絡事項があるか、

何処かに何らかの用事があって停車したのどちらかなのだ。



だが今回はそんな用事もないし、祖父に起こされてる時点で目的地到着まで寝てたということだ。



ちなみに"ゆー"というのは、私の略称…いやあだ名………。とにかくその様なものだ。



扉を開けて車から降りてすぐに目に入ったのは、一言で言うと豪邸だった。



正確には、数歩先には豪邸の玄関へと続く5段の階段が見えている。



敷地内を見ても、屋敷を見ても、家とは違う西洋風で何だか新鮮だ。



そんな事を思いながらも、一応回りを探ってみるが敷地内だからか人の気配はしない。



「ゆー、もうそろそろ演技をするならした方が良いよ」



そう言い先を行く祖父に着いて行きながら、言われた通り演技をする。



階段を上ったと同時。



玄関の扉の開く気配がし、直ぐ様作り笑いという仮面を被る。



私が作り笑いを、仮面を被ればまず演技だと気付かれる事は無い。



しかも、今回はオーラ的なものを抑えつつ完全には消さないという感じ。



何も感じさせないということは、それだけ手練れである可能性やらが出てきて警戒されかねない。

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