ある日突然!?
耳まで真っ赤になった律の背を押してお風呂場へと入ると、広がるのは大浴場。



先程タオルを手渡されたから今はタオルを巻いてるが、

異様に律がチラチラとこちらを見てくるのが少し気になるが………。



そんなまま髪や身体を洗う。



シャンプーなんかのバラの香りが新鮮だなと思いながら洗い終え、

先に湯につかっていた律の近くに入る。



限り無く無言の空間。



寝食はともかく、お風呂まで一緒じゃなくて良いだろと思いながら、

明日の事を考える。



青龍からは空気扱いだが、律は何かと話し掛けてきた。

まぁ兄弟も当然だと思ってたからだろうが。



青龍の倉庫への出入りは無駄に等しいと言える。

隣に座ってただけだったしな。



校内では護衛も然程必要ないだろう。

つまりは側に着いてなくとも大丈夫ということ。



肝心の登下校は徒歩なら側で歩くのも良いだろうし、

護衛は律が私の視界にさえ入れば大丈夫そうだが、少なくとも今週中は側で見張ろうか。



亜夢の動き。

青龍から雪路や雪希への被害を与えないかの見張り。

律の護衛。



「雪…香」



「はい」



反射的に反応したが、詰まり詰まりに名を呼ばれて少しびっくりした。



何故詰まり詰まり?



「雪香は…さ、僕の事どう思ってる?」



どう思ってる?

「義兄妹…ですかね」



再婚を考えて母は月詠の家で雪路と雪希と同居してるしな。



「………それだけ?」



それだけ?

それだけって、他にある……な。



首をコテンと傾げて聞いて来る律の目を見て言う。



「青龍の総長とも、この家の御曹司とも認識してますよ」



「えと、それもそうなんだけど……」


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