ある日突然!?
ここ数日私が使っていた弾力と柔らかさを兼ね備えた枕を変わりに抱かせ、

律の腕の中から抜け出した。



さて。



ベットの上で律に掛けられた布団をそっとめくり、着ていたシャツのボタンを外す。



汗で濡れたシャツ。



2つ目の牡丹を外して気付いた。



早く着替えさせないと悪化するかも知れない。



母の置いていった籠の中を覗くと、

中にはタオルと律が寝間着にしているシャツ、その他諸々が入ってあった。



タオルとシャツを持って律の側まで移動し、残りのボタンを外して服を脱がせる。



律の身体を支えながら汗を拭き、手際よく新しいシャツを着させる。



何故こんなに慣れてるのかといえば、

ずっと前、倉庫で杏と凛が同時に熱が出た事があったんだ。



その前からも組員の看病もたまにしてたが、ほとんどタオルを変えることしかしてなかった。



だが、杏と凛にはその時私しか倉庫に居なかった。



2人交互に着替えさせたり汗を拭いたり食べさせたりと看病し、

その時の経験が今役に立っている。



動かしても起きないな。2人は起きたのに。



机の上に置かれた冷たい氷水の中に手を入れ、その中のタオルを絞る。



冷たい。

物凄く冷たい。



十分適した程度に絞り、律の額の上に乗せた。



「んっ」



冷たそうにしたが、すぐに気持ち良さそうな表情になった律。



さて、私はベットから降りるかと思った瞬間。



ーグイッ



えっ、またか?



腕を引っ張られ、また胸に顔を埋められ抱き枕にされる。



どうするか、逃げ出そうかと動こうとしてすぐ。



「んっ、ん〜、………え?柔らかい?」



背中と腰に回した手を上下に動かし私の身体を触る律。



「起きましたか。おはようございます、律様」



「えっ……雪…香?……………//////」



解放され起き上がると、律は顔を真っ赤にした。

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