ある日突然!?
「さてと。で、どうしたの?歩」



仕切り直しに律がそう言い、華月の5人は律に真剣な眼差しを向けた。



「律、率直に言うぞ。伊東亜夢を姫から下ろせ」



「うん、そのつもり」



ーー「………は?」



「え?」



華月の5人の大真面目な整った顔が、真剣な眼差しが、

律の言葉で一瞬にして間抜けなものになった。



「さっき決めたんだけどね。歩達がその話をしようとした理由は?」



困り顔の律に代わって瑠樹が言った。



「………実は、雪路が姫を下ろされてから疑ってたんだ。伊東亜夢が何かしたんじゃないかって。

で、この間黒蛇の総長と接触してたって情報があってな。もしかしたら攻めてくるかも知れねぇ」



「そう……」



「よりによって、黒蛇……」



律と瑠樹が暗い声で言った。



黒蛇。

以前チラッと出て来た異端の組。



黒蛇メンバーの証は手の甲、もしくは鎖骨に彫られた威嚇する蛇の入墨。



主にレイプや誘拐をしている…らしいが、

私が調べた当時、出来たばかりなのか規模は小さかった。



律や瑠樹が警戒する理由が分からないが、

異端の組である事からこんな表情をしてるのか、他に理由があるのか………。



「バックに色んな組が付いてるからな、黒蛇は」



組?

「例えば?」



「え?あぁ、こっちの話」



ーピキッ

こっちの話?



「「ん?」」



「律、今何か聞こえたよね?」



「う…うん」



はぁー。

内心大きくため息を付き、いつも何故かあるか気になっていた常備のパソコンに目を向けた。



立ち上がってそれを取る。



ハッキング世界No.1 Snow。一応私の通り名だ。

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