極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
近づく距離
深夜の十一時。
第二東京事業所の通用門を出て右手に進むと、静かな銀杏並木に黒塗りの高級車がエンジンを切って待機している。
小走りに駆け寄ると、運転席から中島さんが降りてきてうやうやしく後部ドアを開けてくれた。
「お疲れ様です」
「中島さん、いつも本当にすみません」
「いいえ。とんでもない」
ドアの閉まり際に優しい笑顔が注がれる。
同棲を始めて一か月。
不愛想な高梨さんとは違い、優しくて温かな雰囲気の中島さんには、私はすんなり馴染んでいた。
それでもドアを開けてもらうことだけはいつまで経っても慣れず、ペコペコと頭を下げてしまう。
自分で開けますと言っても、中島さんは「坊ちゃんの大切な方ですから」と言ってやめてくれないのだ。
本当は偽装なのにと申し訳ないけれど、高梨さんによると「中島は親と繋がっている」らしいから、白状するわけにはいかない。
でも、私の腰痛というあのロマンチックとは言い難い出会いに中島さんは立ち会っているわけで、本当に信じてくれているのだろうか?
第二東京事業所の通用門を出て右手に進むと、静かな銀杏並木に黒塗りの高級車がエンジンを切って待機している。
小走りに駆け寄ると、運転席から中島さんが降りてきてうやうやしく後部ドアを開けてくれた。
「お疲れ様です」
「中島さん、いつも本当にすみません」
「いいえ。とんでもない」
ドアの閉まり際に優しい笑顔が注がれる。
同棲を始めて一か月。
不愛想な高梨さんとは違い、優しくて温かな雰囲気の中島さんには、私はすんなり馴染んでいた。
それでもドアを開けてもらうことだけはいつまで経っても慣れず、ペコペコと頭を下げてしまう。
自分で開けますと言っても、中島さんは「坊ちゃんの大切な方ですから」と言ってやめてくれないのだ。
本当は偽装なのにと申し訳ないけれど、高梨さんによると「中島は親と繋がっている」らしいから、白状するわけにはいかない。
でも、私の腰痛というあのロマンチックとは言い難い出会いに中島さんは立ち会っているわけで、本当に信じてくれているのだろうか?