極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

「中島さんは高梨さんと長いお付き合いなんですか？」


「そうですよ。僕の実家が先代社長の近所でしてね。うちは貧乏だったもので、色々とお世話になったんです。僕は学校にも行かず、一時グレてましてね。お恥ずかしい限りです」


「ええ？　そうは見えません」


「まあ、もういい年のオッサンですからさすがに落ち着いてますよ」


そう言って笑う中島さんの運転は、さすが大企業のお抱え運転手らしくとてもジェントルだ。
乗っていてブレーキやアクセルをほとんど感じない。


「それを先代社長が見かねて、僕の進学費用を出して下さったんですよ。そういうご縁で長年使ってもらっています」


どちらかといえば現社長より先代社長に思い入れがあるような中島さんの口調は、こういう過去からきているらしい。
それは先代社長に似ているという高梨さんへの愛情にもつながっているのだろう。