極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「だから彼のことは小さな頃から知っていますよ。鼻たれ小僧時代から」


「それで〝坊ちゃん〟なんですね」


「ええ。今でもこう呼んでいることがばれたら激怒するでしょうけどね」


まだまだ聞いていたかったけれど、気づけば車はもうマンションの近くに来ていた。


「ありがとうございました。面白いお話が聞けて楽しかったです」


「僕が喋ったことは内緒ですよ。彼は僕を鬱陶しがってますからね」


高梨さんの言葉を思い出して、中島さんにバレてるんだなと思い、笑いながら車を降りた。


マンションに入ると、ちょうど高梨さんも帰宅したばかりのようで、リビングで上着を脱いでいるところだった。


しまった、というのが私の心の第一声だ。


というのも具合の悪いことに、今日に限って私は例のあのスカートを穿いていたのだ。
あれから穿くのをやめていたのに、明日まで彼が仙台出張の予定だったので油断していた。


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