極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「今日も社食に行けなかったのか?」


「たまに、です。いつもじゃないです」


何だか自分の職場環境を告げ口しているような気がして、言い訳した。


「今日は作り置きのおかずがあるので、帰ってから食べようと思って、社食に行かなかったんです」


半分本当で、半分嘘だ。本当は忙しくて食事の時間が惜しかったのだけど、週末に作り置きしたお惣菜が傷んでしまうのも気になった。

私が冷蔵庫からあれやこれやと保存容器を取り出すのを、高梨さんは何が珍しいのか、ダイニングの椅子に腰かけて眺めている。


「もしかして私、邪魔してますか?」


彼は帰宅するとまずコーヒーを淹れる。
その習慣は、彼と出くわさないよう玄関の鍵の音がするとすぐさま寝室に戻って息をひそめる生活の間に知った。


「コーヒーなら、淹れて持って行きますけど」


「いや、いいよ。後で自分で淹れる」


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