極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
彼のことを知りたくなって、少し勇気を出して質問してみた。


「あの、中島さんから聞きました。理系学部出身だって」


「そうだよ」


「なぜ理系に? 何か考えがあったんですか? それとも好きだから?」

「両方かな」


コーヒー豆を挽く賑やかな音のあと、彼は説明を付け足した。


「俺は自分の将来を選べない。それなら自分なりのアプローチで準備したかった。普通なら経営学にダイレクトに進むのが王道だけど、うちの社を支える技術の世界を知っておきたかった」


意外にも彼は私の質問に丁寧に答えてくれた。
聞いているうちに、自分の立場を淡々と受け止める彼の強さが少し眩しくなった。


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