極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

「晩ごはんには何を食べたんですか？　仙台なら牛タン？」


同じ食卓で私だけが食べているという決まり悪さから、つい不躾に尋ねてしまった。


「蕎麦」


彼の返事も食事内容もシンプルだ。


「嫌味ですか」


「いや。本当に蕎麦」


「蕎麦が晩ごはん？」


「金遣いが荒い御曹司にも蕎麦好きはいる」


「やっぱり嫌味じゃないですか」


ふざけて怒ったふりをしたあと、少し心配になった。
中島さんの話から察するに、きっと本来の経営企画室の仕事だけでなく会社の様々な部門にも関わっているのだろう。

朝が苦手な彼は、私が知る限りコーヒーだけだ。
夜遅くまで仕事をしている状態で、そんな食事ではいつか身体を壊すのではないだろうか。