極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「貯金って何か目的があるのか? 食べたいものまで我慢するぐらいだから目標があるんだろう」


海老天を我慢したことがここで祟るとは。
貯金については聞かれたくない。
何故って、結婚資金だからだ。
相手はいなくとも夢はある。


「資格とか留学?」


「……そういうのじゃないです」


「じゃあ何」


たぶん彼は言うまで許してくれない。
恋人もいない女が自ら語るにはあまりに恥ずかしい理由を、ついに私はヤケクソで叫んだ。
どうせ同棲期間が終われば、もう会うこともなくなるのだから。


「け……、結婚資金ですよ! 相手がいなくても夢ぐらいあるんです、ほっといてくださいっ」


「まあそうキレるな」


何が可笑しいのか、彼は爆笑している。
綺麗な顔で笑われると余計に頭に血が上る。



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