極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

十分後、私たちは高梨宅のリビングで睨み合っていた。
女主人としてコーヒーを出し、体裁は取り繕っているものの、偽物だけに内心は冷や汗をかいていた。


大量の買い物はキッチンに放り込んだままだ。
あのあと、玄関を開けて彼女を招き入れる際、買い物袋が破れるという惨事が起きた。

でも彼女は床に転がった玉ねぎや大根を拾う私を手伝おうともせず、汚いものを避けるようにして、さっさと勝手にリビングに行ってしまった。
裕福な育ちなのかもしれないけれど、勝手に奥に通るという不躾な振る舞いには驚いた。


きっと彼女は同棲の実態を探りたかったのだろう。

幸い、リビングは普段倒してベッドにしてあるソファーの背もたれは起こし、寝具も外に干していた。
だから私たちが別々に寝ていることは、ばれていないと思う。