極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
コーヒーを二口ほど飲んだあと、彼女は両手でカップを持ったまま視線を落としてポツリと漏らした。


「社長の息子って言っても、魅力的な人ばかりじゃないの。チャラいのとか、とんでもないオタクとか、ひどいのがいっぱいいるのよ」


それはそうだろう。
元御曹司嫌いとして心の中で激しく同意した。


「でも高梨さんは、飛びぬけてかっこいいし、頭も良くて落ち着いていて……」


そこもつい頷いてしまった。
反抗していても、私だって本当は自覚している。

嫌な男だと思い込もうとするのは、彼が魅力的であることを意識しているからだと。


「結婚するなら、この人がいいと思ったんです」


そう言って彼女は膝の上でコーヒーカップをいじった。
自分で自由に結婚相手を決められない立場であっても、彼女には彼女の女心があるのだと思うと、気の毒になってきた。



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