極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
まもなく帰宅した高梨さんを、私は少し緊張しながら出迎えた。
私が変わったことに彼は気付いてくれるだろうか？


「お帰りなさい。出張お疲れ様でした」


一週間ぶりのせいか、彼はやけに格好よく見えた。
少し疲れている表情すら色香に思えてしまう。
そばにいるだけで苦しいぐらいに心臓が騒ぎ始める。


顔を上げた高梨さんの視線が私の顔で止まった。


気づいてくれた？
前よりは可愛くなったと思ってくれる？


期待と不安の交じる思いで彼を見つめ返した。


彼は少し微笑んで「ただいま」と一言だけで視線を逸らし、トランクをフローリングに引っ張り上げた。


ポーカーフェイスのせいで、気づいてくれたかどうかがわからない。
おまけに元々無口だ。
それに今は疲れていて、私の顔どころではないのかもしれない……。


張り切りすぎた反動の落ち込みで少し項垂れた私は、リビングに入る彼の背中越しの言葉でまた顔を上げた。


「土産がある」


素っ気ない一言だけだったけれど、私は飛び上がり、リビングに入る彼の背中を追いかけた。



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