極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「これ……日本では手に入らないものです」


「そうらしいな」


シンプルな箱の中に、宝石のようなカッティングの美しいクリスタルのボトルが入っている。
それはダイヤモンドのように綺麗で、一瞬だけウエディングを想像した。


〝彼もいつか誰かと──〟


数日前の胸の痛みがまたズキリとぶり返した。
同じ会社にいる以上、いつか私はそれを知り、その頃には遠い存在になった彼を祝福する輪に加わらなければならないのだろう。


祝福できるよ。
だって私は、手の届かない人を好きになんてならないもの。


内心の葛藤を振り切るように、蓋を外して鼻を近づける。


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