極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「まろ、眉があるやないか」
「……今頃気づきましたか」
かれこれ一か月も前からメークして会社に来ているのに、今頃指摘されるとは。
「描いてんのか」
「そうですけど……」
「また無駄な努力を」
「課長のためじゃないですから」
偶然ながら、高梨さんと同じことを言われてしまった。
内心膨れつつ、先ほど記録したデータのメモリースティックを差し込んでいると、また課長が口を開いた。
「それ、ちゃんと落としてんのか?」
〝それ〟とはメークのことだ。クリーンルーム入室の際を指している。
「もちろんです」
「気をつけろよ」
「はい」
この会話を終わりにしたくて、視線をパソコンに落として返事した。
それは、仕事の邪魔になるメークを指摘された決まり悪さのせい。
でもこの後、自分では努力をしているつもりでも、それが空回りであることを痛感させられる出来事が私を待っていたのだった。
「……今頃気づきましたか」
かれこれ一か月も前からメークして会社に来ているのに、今頃指摘されるとは。
「描いてんのか」
「そうですけど……」
「また無駄な努力を」
「課長のためじゃないですから」
偶然ながら、高梨さんと同じことを言われてしまった。
内心膨れつつ、先ほど記録したデータのメモリースティックを差し込んでいると、また課長が口を開いた。
「それ、ちゃんと落としてんのか?」
〝それ〟とはメークのことだ。クリーンルーム入室の際を指している。
「もちろんです」
「気をつけろよ」
「はい」
この会話を終わりにしたくて、視線をパソコンに落として返事した。
それは、仕事の邪魔になるメークを指摘された決まり悪さのせい。
でもこの後、自分では努力をしているつもりでも、それが空回りであることを痛感させられる出来事が私を待っていたのだった。