極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「……え?」


目を開けると、真剣な表情の彼が間近な距離で私の顔を覗き込んでいる。
彼の服も髪も濡れていた。


「寝てたのか? 気分が悪くなったんじゃないのか?」


「え……っ、キャーッ」


浴槽から引き揚げられた自分が当然ながら裸だということに気づき、私は彼の腕の中で身を縮めて悲鳴を上げた。
彼はそれに構わず私をソファーに運び、寝かせるようにそっと下ろすと自分の肩に引っかけていたバスタオルで私を包んだ。


「気分悪くないか?」


真剣で、それでいて心配そうな優しい声音の問いかけに、黙って頷いた。
私から滴る水滴でソファーは濡れてしまっている。


私、お風呂で寝ちゃってたんだ……。

入浴剤を入れていたから、裸とはいえさほどは見えていなかっただろう。
でも一瞬でも見られた恥ずかしさと情けない自分の様に、声もなく涙が溢れてくる。


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