極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
それを見ると高梨さんは少し苦しそうに顔を歪めて立ち上がり、私に背を向けた。


「悪かった。いつまでも上がってこないから、心配で声をかけに行っただけなんだ。いくら呼んでも返事がなかったから……悪かった」


彼はキッチンに行き、グラスに水を汲んできた。


「脱水になっているかもしれないから」


涙が止まらないままグラスを受け取ろうとした拍子に身体を隠していたタオルがずり落ちそうになり、慌てて手で押さえた。


「ごめんなさい……」


本当にみっともない。
合わせる顔もなくて、俯いたまま、さらに涙を零した。


「ゆっくりでいいから、しっかり全部飲め」


私が水を飲んでいる間に彼はもう一枚バスタオルを持ってきて、私が水を飲み終えると髪に残っている水気を拭いてくれた。



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