極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「どうしてそんなことを聞くんだ?」


顔を上げて彼を見つめる。

本当は言いたくない。
出来るならずっとここに居たいのに。


でも、毎日彼を見ていたら、好きな気持ちがどんどん膨らんで壊れそうになる。
社会人としての自分すら見失ってしまうかもしれない。


「……同棲を解消したいんです。ごめんなさい」


彼の顔を見たら決意が挫けてしまいそうで、うつむいて言った。
声が震えたけれど、それはしっかり彼に届いていたと思う。


静かな部屋に重い沈黙が落ちる。


その間、私はずっと膝で組んだ手を見つめていた。


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