極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「過去に何があった?」


「……」


どうして過去が原因だとわかったのだろう。
失言のせいで私の恥ずかしい黒歴史がばれてしまう。


「原因は柚希を御曹司嫌いにした男か? 蕎麦屋で話していただろう」


「……」


正確には御曹司でなくイケメン嫌いなのだけど、それにしても彼の記憶力が時々恨めしくなる。


「そうなんだな」


黙っているのは認めたようなものだった。
彼は私の髪を撫でて、顔を覗き込んだ。


「そいつのせいでずっと男を避けてきたんだろう?」


やっぱり彼は私にほとんど経験がないことを知っている。
昨夜のベッドの私が、それだけ不慣れなものだったということだ。

俯いてしまった私を、彼がそっと抱き寄せた。


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