極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「嫌だったら言わなくていい」


彼の胸に顔を埋めると、力強い鼓動が規則正しく聞こえてくる。
今この瞬間、私にとって彼は世界で一番信じられる存在だった。


でも、恋愛の経験がなくても、過去を語るのはタブーだということぐらいはわかる。
だから彼を信じていても私は黙っていた。

それに、こんなことを明かしたら、高梨さんまで侮辱してしまう気がした。
佐々木先輩があざ笑って捨てたものを、彼は大切にしてくれたから。


「よく聞いて」


自己嫌悪に陥り俯いていると、彼は不意に私をベッドに横たわらせた。
両腕で閉じ込めるように覆いかぶさり、何度も優しいキスを降らせてくる。


< 237 / 365 >

この作品をシェア

pagetop