極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
でも、幸せの絶頂にあっても、そうやって周囲に気づかれるほど自分が彼との恋に染まっていくことが私はどこか不安だった。
激しい流れに飛び込みながら、戻る岸辺を探しているのにも似ている。

私たちは確かに身体を重ね、名実共に同棲しているけれど、何か大事なものから目を逸らしている気がするのだ。


その一番の原因は〝言葉〟だった。


〝ずっとお前が欲しかった〟


夢のような言葉は幾つももらったけれど、考えてみたら「好き」とは一度も言われていない。
あれらを総合するとそういうことだと思っていたけれど、それでいいのだろうか?
恋愛経験がほぼ無いに等しいので、私の恋愛偏差値は中学生並みだ。




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