極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

佐々木先輩との始まりも同じだった。
私と一緒にいる時の先輩は優しかったから、はっきりした言葉なんかなくても関係ないと思っていた。

なのにあっさりとそれは裏切られた。


〝好きだとか付き合おうとか、俺、一度も言ってないよね〟


最後、泣いた私に向けられたのは、嘲りの言葉だった。


また、高梨さんと長谷川さんの噂も私の心に不安の影を落としていた。

彼なら聞いたら答えてくれそうな気がするけれど、聞こうとは思わなかった。
過去を詮索する質問は男性が嫌うだろうということぐらいはわかる。

それに、二人が恋人同士だったのは事実で、そこを詮索したところで何がプラスになるだろうか。
劣等感や嫉妬心を自ら煽るようなもので、苦しむだけだ。