極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
こうした不安は有香にだけは打ち明けた。
高梨さんと結ばれたことを報告すると、有香はかなり驚いていたけれど、大いに励ましてくれた。


「柚希はずっと一人で頑張ってきたんだから、思いきり幸せになっていいんだよ」


有香と会った帰り道、アルコールで火照った頬を夜風で冷やしながら星空を見上げた。
たった一杯のアルコールで顔がこんなに熱くなってしまったのは、有香に散々冷やかされたせいだ。


ふわふわと幸せな気分に、どこか潜む心許なさ。
それを吹き飛ばしたくて、空を見上げて何度も息を吐いた。


もう夏の大三角形が見える季節だ。
梅雨のせいで長らく続いた雨が空気を綺麗にしてくれたのか、今夜は星が綺麗に見えた。


「デート、したいな……」


星に願いをかけるように呟いた。


付き合うって何だろう?
今以上を望むなんて贅沢だけれど、私にも憧れていた色々なことがある。




< 246 / 365 >

この作品をシェア

pagetop