極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「駄目……」


首を左右に振って、ぎゅっと目を瞑った。
これ以上好きになるのが怖い。


「柚希」


吐息混じりの囁きとともに、瞼に優しく口づけられた。
キスに誘われるようにして、再び目を開けた。


手の届きそうな星空。
泡立つ湯の音。
木の葉のざわめき。


何一つ欠けるもののない世界に包まれ、彼を迎え入れた。


もう彼以外の誰にも恋はできない。


霞む視界の中で彼に溺れながら、私はずっと目を逸らしてきた夢を探していた。


他には何も要らない。
だから──この恋の未来を望んでもいいですか?




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