極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
***
職場で長谷川さんの噂を聞いてからというもの、ずっとそれは私の頭をぐるぐる回っていた。
高梨さんに聞く以外、確かめるすべがない。
でも、できない──。
高梨さんの仕事はいよいよ忙しくなり、同じ家で暮らしていながら私たちの接点はどんどん減っていた。
帰りはいつも深夜で、会話がふと途切れると、彼は真剣な表情で何かを考え込んでいる。
ただ目の前の液晶に取り組んでいるだけの私と違い、企業の経営は未来も含めて多角的に俯瞰する視野が必要だから、彼が戦っている相手は大きさも数も私とは比べ物にならない。
そう思うと、いったい彼が今何を抱えているのか、聞くことができなかった。
まして長谷川さんのことなど、聞けるはずもない。
もしかすると、それは単に私が事実を知ることが怖かったせいもあるのかもしれないけれど、私の不安の解消なんかよりも、過労気味の彼を一分でも一秒でも早く休ませてあげたい、そう願っていた。
職場で長谷川さんの噂を聞いてからというもの、ずっとそれは私の頭をぐるぐる回っていた。
高梨さんに聞く以外、確かめるすべがない。
でも、できない──。
高梨さんの仕事はいよいよ忙しくなり、同じ家で暮らしていながら私たちの接点はどんどん減っていた。
帰りはいつも深夜で、会話がふと途切れると、彼は真剣な表情で何かを考え込んでいる。
ただ目の前の液晶に取り組んでいるだけの私と違い、企業の経営は未来も含めて多角的に俯瞰する視野が必要だから、彼が戦っている相手は大きさも数も私とは比べ物にならない。
そう思うと、いったい彼が今何を抱えているのか、聞くことができなかった。
まして長谷川さんのことなど、聞けるはずもない。
もしかすると、それは単に私が事実を知ることが怖かったせいもあるのかもしれないけれど、私の不安の解消なんかよりも、過労気味の彼を一分でも一秒でも早く休ませてあげたい、そう願っていた。