極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
さよなら、大好きな人
彼の帰国便は前回の出張と同じく、夕刻に成田に到着する便だという。

〝話したいこと〟がいい意味なのか悪い意味なのかわからず、当日まで私は落ち着かない日々を過ごしていた。


よくよく思い起こしてみれば、彼のくだけた言葉遣いからして、隣にいた人物はビジネスの相手ではない、親しい間柄のように思える。
やはり長谷川さんだったのだろうか?


でも、有香には〝電話したけどタイミングが悪くて言えなかった〟と報告しただけで、彼の隣に誰かがいたことも、彼に言われたことについても相談していない。

アメリカ出張までに決着をつけたいというこれまでの彼の言動を考え合わせると、きっと今回は大きな何かがあるのだということだけは予感できたので、散々考えあぐねた末、ただ彼に会えることだけを考えて一人で待とうと腹を括っていた。


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