極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「でもね、今回、彼は大手柄をあげたの。アメリカの最大手のモバイルメーカーとの契約を拡大して、さらに設備投資の負担ももぎ取ったのよ。その他にも複数の契約を取ってるの。かなり周到に準備したはずよ。こうなればもう三和テックなんか恐くないわね」


蒼白な顔で私も微笑んだ。
どれも私が知らない情報だ。

でも彼の苦労が実ったという事実は、自身が苦しい中でも嬉しかった。
良かった……。
もう、それだけでいい。


「三和テックの件ではあなたが大活躍してくれたんでしょ?」


「いいえ。私は何も……。色々困っていたところを逆に助けて頂いただけで」


「彼って面倒見がいいのよね。放っておけないタイプなのよ、意外に」


〝面倒見がいい〟
彼女の言葉の棘が私の急所を刺した。



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