極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
彼への置手紙に書く内容を考えている時、初めてここから逃げ出した時のことを思い出して、一人で笑った。


〝ありがとうございました〟


あの時は無理して一万円札を置いていったっけ。
今は彼から預かっていたスーパーのカードを置く。


指輪と香水は持って行きますね。
心の中で語りかける。
私には大切なものだから。


視界が滲んで、ペンを握る自分の手すら見えなくなっていく。



< 306 / 365 >

この作品をシェア

pagetop