極甘同居～クールな御曹司に独占されました～

「お前、この後の仕事は？　データ分析だけか？」


「はい」


「それ明日でええやろ。今日は帰れ」


今日は有香に誘われていて、早く上がらせてもらえないか課長にお伺いを立てようろ思っていたところだった。
口を開けば怒鳴るか嫌味しか言わない課長に珍しく優しい言葉をかけられ、少し戸惑う。


「ここんとこ疲れとるで。あまり根詰めんな」


更衣室で作業服を脱ぎ、溜息をついた。


高梨さんのマンションを出て数日が過ぎた。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、それでもまだたった数日。

失恋の痛みは時間薬だと言うけれど、どのぐらい待てば楽になれるのだろう？
必死で仕事に集中しても、あの鈍感な課長に心配されるほど疲れた表情になっているのだろうか。


「しっかりしなきゃ」


小さく呟いて、事務所を出た。