極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「高梨さん」


「なに」


「中島さんのお迎えですか?」


「俺の車」


それを聞いて、安心して身体を預ける。
中島さんに会いたいけれど、今夜は二人きりがいい。


「あの」


照れ臭くて嬉しくて黙っていることが出来ない私を、彼は苦笑しながら相手してくれる。


「和久井梨乃さんにお礼を言わないと」


「ああ、それは要らない」


高梨さんは顔をしかめた。
よほど不愉快な騒ぎだったらしい。


「完璧美女に負けるのはムカつくからって理由だったからな。あの家政婦になら負けても腹は立たないと」


「家政婦……」


幸せな今は腹も立たない。
あの時のことを思いだして忍び笑いしつつ、梨乃さんの幸せも願った。


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