極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「それにしても、何でまた急に?」


質問している最中に、私は理由を思いついた。


「わかった! 第二技術部のマドンナですね」


この度大幅な人事改編があり、研究所からかなりの人員がこの第二東京事業所に異動となった。
生産技術の体制強化の一環だ。

驚いたことに、あの長谷川麻里子さんがこのモバイル事業部に配属されたのだ。
それもお隣、第二技術部に。

その人事情報が公になった時は、男性陣はまるで宝くじでも当てたような騒ぎだった。
まだ着任して数日、二課のみならず他部門の男性社員までそわそわと落ち着かない。


私の指摘を聞いて、課長は肯定も否定もせずニヤリと笑った。


「今回、若い独身男は配属にならなかったみたいやな」


「ですね」


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