極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
今回の生産技術の体制強化は、少し前のサービス残業是正とともに経営企画室から起案されていたものだと聞いた。

もしかすると深夜に帰宅してばかりの私を見て彼が動いてくれた……なんて考えるのは都合が良すぎだろうか。
高梨さんに尋ねても、彼は笑ってはぐらかすばかりで答えてくれない。


でも、そうだとすると、うちの部にだけ独身男性が配属にならなかったのも作為だと考えられなくもない。
彼は意外にヤキモチ妬きなのだ。



それはさておき、あの再会と告白の夜からわずか半月で、私達は結婚に向けて着々と前進している。

二人の意志は固めても、次期社長という彼の重い立場上、周囲の承認を得ることは大前提だ。
そもそも彼の親族にとって、私は社長が望んだ縁談を潰した張本人であり、しかもその露見の発端は彼との〝ベッドシーン〟をお母様に見られた着替え事件だ。
印象最悪であることは言うまでもない。

それが動いた先週の土曜日だった。


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