極甘同居～クールな御曹司に独占されました～
「ありがとうございます」


「この調子じゃ長丁場だな」


ため息まじりに言われて縮こまった時、スマホがまた鳴り始めた。
今度はメールではなく電話で、なかなか鳴りやまない。
高梨さんの目の前で有香と喋るわけにいかないし、〝有香〟という名前も彼の記憶を呼び起こしてしまうかもしれない。


「いただきます」


丁寧に手を合わせたものの、鳴り続ける電話を無視して食べるというあまりに不自然な状況に、彼が不審そうに眉をひそめた。


「出れば？」


「……すみません。失礼します」


渋々、枕の下からスマホを取り出した。
彼がお弁当を買いに行ってくれている間、のん気にスマホをいじっていたことがばれてしまったではないか。

彼から画面が見えないよう手で隠す動作が怪しすぎたのか、高梨さんの眉が上がった。
その仕草で余計に焦り、通話ボタンを押すと有香が喋り始める前に一気にまくしたてた。


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