極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「ごめん、明日電話する」


『え? 待って柚希、ちょっ──』


有香の抗議の声に構わず電源を切ると、腕組みをして眺めていた高梨さんが素っ気なく言った。


「男?」


「あ、いえ……。まあ、いろいろです」


即座に否定するのも情けないし、かといって嘘もつけない。
高梨さんは興味なさげに「ふーん」と言っただけだった。


彼に介助してもらいつつ食事を終え、元通り寝かせてもらい、照明を落とした部屋で目を閉じる。


「疲れた……」


高梨さんがリビングに引き上げていくと、どっと疲れが押し寄せてきた。

腰はすぐに治るだろうか?
仕事に復帰できるのはいつだろう?
早くここから脱出して、気楽な自分のアパートに戻りたい……。


あまりに奇想天外な出来事についていけず、不安でいっぱいなのに、お腹がくちくなったせいか眠たくなってきた。


家の中では、彼が何やら動いている音がする。
その音を聞いているとなぜか不安は和らいで、私はとろとろと眠りに落ちていった。



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