極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「で、政略結婚に話戻すけどさ。お相手は三和テックの社長令嬢らしいよ」


その企業名は以前に何かのニュースで聞いたなと考えながら蕎麦をすする。


「いいよね。社長の娘に生まれただけで、あんなイケメンと結婚できるんだもん」


「へえ、うちの社長の息子、イケメンなの? 社長はアレなのに」


現社長はお世辞にもルックスが良いとは言えない。
父親に似なくてよかったねという毒舌は、食べるのに忙しくて省略した。


「そうよ、超イケメン! すごい人気なのに知らないの?」


「だって事業所だから本社とは別世界だし」


「じゃあ今度、本社ビルに来る時はうちの部に寄ってよ。一緒に経営企画室を覗きに行く? 高梨室長、すごく格好いいんだから」


「室長って言ったけど、社長の息子って、もうそんなオジサンなの?」


「違うわよ、三十歳! その若さで経営企画室長なのよ。すごくない?」


「ふーん……」




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