極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
朝の光の中で見ると、彼の姿は昨夜見た時よりさらに完璧だった。
スーツが映える長身の体躯も、さらさらの黒髪も、映画から抜け出てきたような顔の造作も。

かたや私は昨夜から鏡を見る状況になく、自分がどんな顔をしているのやらわからない。
しかも、気づけばまだ作業着を着ていた。



「腰の具合は?」


早く脱出したい一心で、痛みをこらえて背筋を伸ばしてみせる。


「大丈夫です。かなり良くなりました! これなら家に──」


「寝てろ」


しかしアピール空しく、返ってきたのは無情な一言だった。


寝室のドアが閉まると、私は布団にもぐって口を尖らせた。
私には随分と冷たい。


でも自分で連絡せずに済んだのは有難かった。
横山課長なら「這ってでも来い」とか言いかねない。


玄関ドアが閉まると、トイレと歯磨きのために、私は這うようにしてベッドを出た。
女として、最低限ここだけはお世話になるわけにはいかなかった。


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