極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「だって心の準備が……」


心の準備だけじゃない。
こんなことになるなら、もっと可愛い下着をつけておけばよかった。
ここ最近お肌のお手入れをさぼりがちだったし、冬の間に少し太ったのも取り返せていない。それ以前に昨夜お風呂に入っていないし、とにかくベストとは程遠い今のこの状態では私が嫌なのだ。
いくら傷病人だといっても、私にも恥じらいというものがある。

なのに、高梨さんは面白がっているのか親切なのか、やめてくれる気配もない。


「見たらダメです!」


「暴れるな。また腰がひどくなるだろう」



玄関でガチャガチャと音が聞こえたような気がしたけれど、今の私はそれどころではなかった。
ボタンの全部外れたブラウスはもはや右の手首に引っかかっているだけで意味はなかったけれど、私は両手で前を隠しながら叫んだ。


「ダメ、せめて暗くしてください」


「すぐ終わるからじっとしてろ。大丈夫だ。痛くしないから」


その時だった。
いきなり女性の悲鳴が響き渡った。


「の……則人―っ!」


誰かが家に入ってきたことすら気づいていなかったので、私は度肝を抜かれて振り向いた。


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