極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
天敵、再び
それから二週間あまりが過ぎた。
季節はすっかり春らしくなり、道端の桜の枝は花びらをすっかり落として、今は若い緑をまとっている。
有香にはあのあと、電話で一部始終を説明し、〝無事に〟と言えるのかどうかはさておき逃げ出して自宅に戻ったことは報告した。
着替え事件とそれに続く母親襲来事件は口にするのも忌まわしかったので打ち明けていない。
あれはなかったことにしたかった。
〝なんで逃げ出したのよ! チャンスだったのに〟
そうとは知らない有香は、高梨さんと私の間に何事も起こらなかったことをたいそう残念がった。
〝結局、お蕎麦屋さんでの悪口はばれてたの?〟
〝それがよくわからないのよ〟
〝もー、柚希のせいで私まだビクビクしてるんだからね〟
有香とはそんな会話を交わしたけれど、今となっては悪口問題より母親襲来事件の方が私には重大だった。
季節はすっかり春らしくなり、道端の桜の枝は花びらをすっかり落として、今は若い緑をまとっている。
有香にはあのあと、電話で一部始終を説明し、〝無事に〟と言えるのかどうかはさておき逃げ出して自宅に戻ったことは報告した。
着替え事件とそれに続く母親襲来事件は口にするのも忌まわしかったので打ち明けていない。
あれはなかったことにしたかった。
〝なんで逃げ出したのよ! チャンスだったのに〟
そうとは知らない有香は、高梨さんと私の間に何事も起こらなかったことをたいそう残念がった。
〝結局、お蕎麦屋さんでの悪口はばれてたの?〟
〝それがよくわからないのよ〟
〝もー、柚希のせいで私まだビクビクしてるんだからね〟
有香とはそんな会話を交わしたけれど、今となっては悪口問題より母親襲来事件の方が私には重大だった。