恋×嘘×罪~誰にも言えない秘密の恋~
「…わざわざ届けてくださって…〝ありがとうございました〟…」


「…」


カツカツカツ…


高瀬は私に何も言わずにビルから出て行った。


〝ありがとうございます〟…か…


敬語…か…


「はは…これが…2年の壁か…」


あの頃とはもう…違うんだ…


私は形態を両手で握りしめ、彩香と山下君の元へと戻った。


「ごめんね、2人ともお待たせ…」


「ううん、大丈夫ー…ってどうしたの?」


え…


「成宮?お前…なんで泣いてるんだ…」


「え…泣いてる…?私が…?」


私は山下君にそう言われ頬に手を添えた。


「…何これ…」


私の頬は湿っていた…


「なんで…涙なんか…」
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