そしてあなたと風になる
そしてあなたと,,,。
諏崎デザイン工房の駐車場に着くと、エレベーターに乗って受け付けに急ぐ。
少し前にこの会社を訪れた際、社長室に案内してくれた受け付けの子がいた。
「櫻木専務、ご用件は承っております。諏崎社長は社長室でお待ちです。」
案内の申し出を断り社長室に急ぐ。
千尋は、ノックの返事すら待てずにドアを開けて飛び込んできた。
「まひる!」
まひるは一人でパソコンに向き合っていた。
「千尋、さん?」
首をかしげるまひるの言葉を遮り、千尋は、まひるを抱き締めた。
「行くな、行かないでくれ」
そのまま千尋は、まひるの唇を奪った。
そして、
何度も何度もキスを浴びせる。
「ち、千尋さん、待って」
「待たない」
千尋は、まひるを抱き締める腕に力を込めた。
「百花さんから何か聞いたんですか?」
「イギリスに行ってスティーブと政略結婚するんだろう?」
「行かせない。」
「政略結婚?」
まひるは、納得いかないという風に眉間にシワを寄せた。
「明後日、イギリスに行くんだろう?」
まひるは頷いた。
「俺も行く」
「行ってまひるのお母さんとおじいさんに俺がまひると結婚するって言う」
「けっこん?」
まひるは驚いて、千尋と距離を取ろうとした。
千尋はそれを許さず、さらに抱き締める腕に力を込めた。
「,,,好きなんだ」
「初めて会ったときから気になって仕方なかった」
「初めて抱いたときだって雰囲気に流された訳じゃない」
今まで曖昧にしてきたことで、まひるを失いそうになっている。
そのことへの恐怖が、無口な千尋をこれまでになく饒舌にさせた。
「ありがとう、千尋さん」
「でも、私、明後日イギリスには行きますよ。」
"もう、間に合わないのか?"
千尋は苦痛に顔を歪めた。
「だけど、千尋さん、勘違いしてます。」
まひるが微笑みながら、顔をあげて千尋を見つめる。
「母の誕生日なので、お祝いにイギリスに行きます。会社の提携なんて話も、結婚の話も百花さんの嘘です。」
千尋は、驚いて声を出すこともできずに呆然とした。
少し前にこの会社を訪れた際、社長室に案内してくれた受け付けの子がいた。
「櫻木専務、ご用件は承っております。諏崎社長は社長室でお待ちです。」
案内の申し出を断り社長室に急ぐ。
千尋は、ノックの返事すら待てずにドアを開けて飛び込んできた。
「まひる!」
まひるは一人でパソコンに向き合っていた。
「千尋、さん?」
首をかしげるまひるの言葉を遮り、千尋は、まひるを抱き締めた。
「行くな、行かないでくれ」
そのまま千尋は、まひるの唇を奪った。
そして、
何度も何度もキスを浴びせる。
「ち、千尋さん、待って」
「待たない」
千尋は、まひるを抱き締める腕に力を込めた。
「百花さんから何か聞いたんですか?」
「イギリスに行ってスティーブと政略結婚するんだろう?」
「行かせない。」
「政略結婚?」
まひるは、納得いかないという風に眉間にシワを寄せた。
「明後日、イギリスに行くんだろう?」
まひるは頷いた。
「俺も行く」
「行ってまひるのお母さんとおじいさんに俺がまひると結婚するって言う」
「けっこん?」
まひるは驚いて、千尋と距離を取ろうとした。
千尋はそれを許さず、さらに抱き締める腕に力を込めた。
「,,,好きなんだ」
「初めて会ったときから気になって仕方なかった」
「初めて抱いたときだって雰囲気に流された訳じゃない」
今まで曖昧にしてきたことで、まひるを失いそうになっている。
そのことへの恐怖が、無口な千尋をこれまでになく饒舌にさせた。
「ありがとう、千尋さん」
「でも、私、明後日イギリスには行きますよ。」
"もう、間に合わないのか?"
千尋は苦痛に顔を歪めた。
「だけど、千尋さん、勘違いしてます。」
まひるが微笑みながら、顔をあげて千尋を見つめる。
「母の誕生日なので、お祝いにイギリスに行きます。会社の提携なんて話も、結婚の話も百花さんの嘘です。」
千尋は、驚いて声を出すこともできずに呆然とした。