そしてあなたと風になる
「千尋さんがアメリカに行っている間にクレセントシリーズのプロジョクトが終了して、晴くんと百花さんと三人で打ち上げをしたんです。」

応接用のソファに腰かけるように促されて、千尋は言われるまま移動した。

「二次会でまーくんのお店にも行ったんですけど、そこで千尋さんの話になって。」

まひるは恥ずかしそうにに続けた。

「横浜にフレーム撮りに出かけたことを話したら、百花さんと、まーくんが"千尋さんと私はどういう関係か?って聞くから"大切なお友だちです"って答えたんです」

千尋はそれを聞いて眉をひそめた。

「だ、だって千尋さんも私も何となくそういう感じになったから,,,」

「さっきもいったけど,,,」

「わかってます。でも、私が自信を持てなくて,,,。」

まひるは、はにかみながら千尋の横に腰かけた。

まひるによると、

百花と雅樹は、千尋がまひるのことを好きなのは見え見えなのに、何も伝えていないことに憤慨して、勝手に作戦会議を始めたという。

早々に酔っぱらっていた眠りかけていた晴斗まで巻き込み、なにやらこそこそ話をはじめた。

まひるは翌日、仕事の打ち合わせが入っていたので、三人に"先に帰る"と告げてその場を去った。



「だから、こんな話になってるなんて、私も知らなかったんですよ。」

千尋はため息をついたが、内心はほっとしていた。

「だけど、嬉しい」

「私も、千尋さんが好きです。」

千尋の腕にそっと両手を絡めて顔を埋めてくるまひるに愛しさが込み上げてくる。

「三月もグルかな?」

「さあ?どうでしょう?」

のんびりやの二人はまんまと周りの友人にのせられてしまったようだ。

「好きだ。」

「ずっとそばに居てくれますか?」

二人はゆっくりと頷き合うと、再び唇を重ねた。










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