恋をしようよ
「隣いい?」
最高の笑顔で声をかけて、バーの隅っこの席の彼女の隣に座ると、いきなり睨まれてひるんだ。
「なんですか?」
怒った声でそういわれて、ああこれはダメかもなって思ったけど、めげずに話し続ける。
「何飲んでるの?」
「シャンディーガフですけど。」
「ビール好きなの?」
「別に、これだと悪酔いしないから。」
「クラヴ来て安全パイ選んじゃうんだ。」
「何ですか?ナンパですか?選ぶ娘間違えてません?」
ずっとそんなつっけんどんな感じで、彼女は心をぴったりと閉じたままだったけど、まあ無視されないだけましかな。
「君こそ、一人でそんな顔して酒飲んでて楽しいの?」
俺は笑顔を崩さずに根気よく話し続けた。
女の子には、会話が大事だって、昔姉ちゃんにも教え込まれたっけ・・・
聞き上手になって、相手の話したいことを引き出していくのがコツだって。
「楽しいですよ、久地さんのかける音楽って、凄くセンスがよくてカッコよくて、大好きですもん。」
それは、音楽がじゃなくて、久地さんが好きだからでしょうって思ったけど、それは言わないでおいた。
「へえ、どういうのが好きなの?」
そうふってあげたら、色々なバンド名を出されて、俺も一応知識としては全部知っていたから、適当に話をあわせてあげた。
すると、少しずつ表情が柔らかくなってきた気がして、ああこの子は本当に音楽が好きなんだなって思う。
「クラヴって音楽聞きにくるところでしょう?あんなふうに着飾ってちゃらちゃらして、ナンパばっかしてる人たち信じられない。」
フロアーで無邪気に笑いながら踊っている女の子達を見て、彼女は恨めしそうにそう言った。
「いや、クラブはラウンジだから、人と交流するところじゃね? ナンパに限らず、こうやって音楽を通してお喋りしたりして、仲間を増やすところじゃないかな。」
そうだよ、音楽だけ聞きたいなら、うちでレコードかけるか、ライヴハウスに行けばいいんだよ。
そう言ってあげたら、それもそうですけどって言葉を濁された。
「君はそんなつもりじゃないだろうけど、そんな眉間に皺を寄せて隅っこに居たって、楽しそうに見えないよ。」
今夜は楽しもうよ。そう言ってあげると、やっと少しだけ笑ってくれた。
「俺カズヤ、君は?」
「ナツです。」
「じゃあ、なっちゃんって呼んでいい?」
「嫌です、ナツでいいです。」
断られたと思ったら、急に可笑しくなって声を出して笑ってしまったら、何で笑うんですかって突っ込んでくる。
「いや、ハッキリ言うなーって。何だか清々しいわ。」
ちょっと怒ったような表情をしていた彼女は、俺がずっと笑っているとつられて笑ってくれた。
「なんか奢るよ、何がいい?」
そう聞くと、いらないですって言われたけど、無理やり同じものを頼んであげたら、ちょっと恐縮して結局飲んでくれた。
「ナツって面白いな・・・こういう子初めてだな。」
それは本当に本心で、思った事が漏れた気がしたけど、彼女は急に頬を赤らめて俯いてしまった。
その仕草が急に可愛くなって、彼女の短く揃えた髪をぽんぽんと撫でてあげると、びっくりしたように俺を見つめ返してくる。
「何してくれちゃってるんですか!」
いや、頭撫でただけだけど・・・
「ごめん、触られるの嫌だった?」
「嫌じゃないですけど・・・」
彼女は微かな声でそう答えた。
最高の笑顔で声をかけて、バーの隅っこの席の彼女の隣に座ると、いきなり睨まれてひるんだ。
「なんですか?」
怒った声でそういわれて、ああこれはダメかもなって思ったけど、めげずに話し続ける。
「何飲んでるの?」
「シャンディーガフですけど。」
「ビール好きなの?」
「別に、これだと悪酔いしないから。」
「クラヴ来て安全パイ選んじゃうんだ。」
「何ですか?ナンパですか?選ぶ娘間違えてません?」
ずっとそんなつっけんどんな感じで、彼女は心をぴったりと閉じたままだったけど、まあ無視されないだけましかな。
「君こそ、一人でそんな顔して酒飲んでて楽しいの?」
俺は笑顔を崩さずに根気よく話し続けた。
女の子には、会話が大事だって、昔姉ちゃんにも教え込まれたっけ・・・
聞き上手になって、相手の話したいことを引き出していくのがコツだって。
「楽しいですよ、久地さんのかける音楽って、凄くセンスがよくてカッコよくて、大好きですもん。」
それは、音楽がじゃなくて、久地さんが好きだからでしょうって思ったけど、それは言わないでおいた。
「へえ、どういうのが好きなの?」
そうふってあげたら、色々なバンド名を出されて、俺も一応知識としては全部知っていたから、適当に話をあわせてあげた。
すると、少しずつ表情が柔らかくなってきた気がして、ああこの子は本当に音楽が好きなんだなって思う。
「クラヴって音楽聞きにくるところでしょう?あんなふうに着飾ってちゃらちゃらして、ナンパばっかしてる人たち信じられない。」
フロアーで無邪気に笑いながら踊っている女の子達を見て、彼女は恨めしそうにそう言った。
「いや、クラブはラウンジだから、人と交流するところじゃね? ナンパに限らず、こうやって音楽を通してお喋りしたりして、仲間を増やすところじゃないかな。」
そうだよ、音楽だけ聞きたいなら、うちでレコードかけるか、ライヴハウスに行けばいいんだよ。
そう言ってあげたら、それもそうですけどって言葉を濁された。
「君はそんなつもりじゃないだろうけど、そんな眉間に皺を寄せて隅っこに居たって、楽しそうに見えないよ。」
今夜は楽しもうよ。そう言ってあげると、やっと少しだけ笑ってくれた。
「俺カズヤ、君は?」
「ナツです。」
「じゃあ、なっちゃんって呼んでいい?」
「嫌です、ナツでいいです。」
断られたと思ったら、急に可笑しくなって声を出して笑ってしまったら、何で笑うんですかって突っ込んでくる。
「いや、ハッキリ言うなーって。何だか清々しいわ。」
ちょっと怒ったような表情をしていた彼女は、俺がずっと笑っているとつられて笑ってくれた。
「なんか奢るよ、何がいい?」
そう聞くと、いらないですって言われたけど、無理やり同じものを頼んであげたら、ちょっと恐縮して結局飲んでくれた。
「ナツって面白いな・・・こういう子初めてだな。」
それは本当に本心で、思った事が漏れた気がしたけど、彼女は急に頬を赤らめて俯いてしまった。
その仕草が急に可愛くなって、彼女の短く揃えた髪をぽんぽんと撫でてあげると、びっくりしたように俺を見つめ返してくる。
「何してくれちゃってるんですか!」
いや、頭撫でただけだけど・・・
「ごめん、触られるの嫌だった?」
「嫌じゃないですけど・・・」
彼女は微かな声でそう答えた。