恋をしようよ
江ノ電に揺られながら、白昼夢を見ていた。
ここに来ると、いつも思い出すんだあの子のことを。
あれから誰にも、あの子がどこの誰だったか俺は聞かなかった。
葬儀のばたばたした最中で、いつの間にかあの子を見失ってしまったから。
きっと祖母のご近所の子とかそういったところだろう、参拝をしたあとすぐ帰ったんだ。
「すごーい、おじちゃん見てよ、海が綺麗だよ!?」
電車の窓にかじりついて、双子は同時にそう言った。車窓にはうっとりするような一面の海が広がっている。
蓮と桃、二人は顔はあんまり似ていない二卵性のクセに、たまに妙にシンクロして同じ行動をする事がある。
2人の頭を、交互になでまわしながら、本当に綺麗だなあなんて呟きながら一緒に車窓を眺めた。
次の駅で降りてみようかと、ホームに電車が滑り込んだ瞬間に、駅のホームで電車を待つ見覚えのある人が通り過ぎた。
「あーあれ、すなおちゃんじゃない?」
桃が一瞬でそれに気がついて、俺も慌てて振りかえると、俺たちのことにまったく気付いていないナツが、行き違いで反対のドアから電車に乗ろうとしているところだった。
「ナツ!」
俺はとっさに駆け寄って彼女の手を取ると、乗車寸前のところを引き止めてしまう。
「カズヤさん?」
ナツは複雑そうな表情で、俺のことを見つめ返していた。
「何でここに居るんですか?」
「ずっと、探してたんだ・・・やっとみつけた。」
ここに来ると、いつも思い出すんだあの子のことを。
あれから誰にも、あの子がどこの誰だったか俺は聞かなかった。
葬儀のばたばたした最中で、いつの間にかあの子を見失ってしまったから。
きっと祖母のご近所の子とかそういったところだろう、参拝をしたあとすぐ帰ったんだ。
「すごーい、おじちゃん見てよ、海が綺麗だよ!?」
電車の窓にかじりついて、双子は同時にそう言った。車窓にはうっとりするような一面の海が広がっている。
蓮と桃、二人は顔はあんまり似ていない二卵性のクセに、たまに妙にシンクロして同じ行動をする事がある。
2人の頭を、交互になでまわしながら、本当に綺麗だなあなんて呟きながら一緒に車窓を眺めた。
次の駅で降りてみようかと、ホームに電車が滑り込んだ瞬間に、駅のホームで電車を待つ見覚えのある人が通り過ぎた。
「あーあれ、すなおちゃんじゃない?」
桃が一瞬でそれに気がついて、俺も慌てて振りかえると、俺たちのことにまったく気付いていないナツが、行き違いで反対のドアから電車に乗ろうとしているところだった。
「ナツ!」
俺はとっさに駆け寄って彼女の手を取ると、乗車寸前のところを引き止めてしまう。
「カズヤさん?」
ナツは複雑そうな表情で、俺のことを見つめ返していた。
「何でここに居るんですか?」
「ずっと、探してたんだ・・・やっとみつけた。」