against
「で、何でB組の広瀬涼子がこんな所でジャンプ読んでんの?」

……バレてる。

私が『誰で』たぶん『どんな子』かと言うことも。

頭は逃げろと信号を出し続けている。

でも、すでに逃げる気なんてなくて。自首するような気構えでいた。

何だかわからないけれど、そんな気になったのは、やっぱり私が『女』で君が『男』だったからかな。

直感?

私の名を呼んだ君の後ろには、遠くまでオレンジが広がっていて。

錯覚?

ここが、急に居心地のいい場所に、戻ってしまったのだから。
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