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何も答えることのない私に男は一人呟いていた。

「へ〜いつもギャルギャルしてんのに」

何がギャルギャルだか。

私は薄暗くなってきたので、重たい雑誌を鞄に納める。

ジーっとファスナーを流し、しっかり取り付けた持ち手を肩にかけ立ち上がった。

「帰るの?」

振り向く事なくしれっとした顔で階段に向かう。

このままこの場所を離れるのは凄く恐いけれど。

私は未来を信じている。その信じる未来に君を。

たまには賭けてみよう。


それはただの感覚でしかないけれど。



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