against
4.スカート
あれから雨が降る日はなかった。季節は暖かい方へ進んでいく。
暑くても脱げないのがセーラー服。セーラー服の中にカッターシャツは許せない。ちょっとした体温調節にはブレザーの方がいいだろうな。
でも寒い時期にブレザーの下にセーターを着るより、セーラー服の上にセーターを着た方が絶対かわいい。
暖かい日差しをうけながら、寒かった日を昨日の事のように思う。
賭けてから一週間経った。わかってはいたけど、変な噂もなく平凡に過ごしている。
「ほんっと、ノリ悪いよね」
穏やかではないけれど。
「う……うん」
よく晴れた午後。奈津美と二人でいつもの駅へ向かわずに、学校からの坂を下りて左の道に入った。
今日からテスト期間に入ったため、授業は午前中で切り上げられた。
あの雨の日にできた奈津美と綾菜の水溜まりは乾いていない。
時は刻まれているはずなのに。
「とりあえず歌おう」
一限目からずっと表情の強張った奈津美の手を引いて、カラオケ屋の自動ドアをくぐり抜けた。
暑くても脱げないのがセーラー服。セーラー服の中にカッターシャツは許せない。ちょっとした体温調節にはブレザーの方がいいだろうな。
でも寒い時期にブレザーの下にセーターを着るより、セーラー服の上にセーターを着た方が絶対かわいい。
暖かい日差しをうけながら、寒かった日を昨日の事のように思う。
賭けてから一週間経った。わかってはいたけど、変な噂もなく平凡に過ごしている。
「ほんっと、ノリ悪いよね」
穏やかではないけれど。
「う……うん」
よく晴れた午後。奈津美と二人でいつもの駅へ向かわずに、学校からの坂を下りて左の道に入った。
今日からテスト期間に入ったため、授業は午前中で切り上げられた。
あの雨の日にできた奈津美と綾菜の水溜まりは乾いていない。
時は刻まれているはずなのに。
「とりあえず歌おう」
一限目からずっと表情の強張った奈津美の手を引いて、カラオケ屋の自動ドアをくぐり抜けた。